今年10月に名古屋市で開かれる国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)での採択を目指す世界目標案を、条約事務局(カナダ・モントリオール)がまとめ、17日公表した。自然と共生した世界を2050年に実現するため、今後10年間に達成すべき20の個別目標を掲げている。
生物多様性は地球上のあらゆる生物や生態系などが多様で豊かな状態。COP10では、02年に採択した「10年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」との現行目標の達成度を検証するが、具体性に欠け、強制力もないことから達成は絶望視されている。
新しい目標案は、50年の世界を「生物多様性が保全・回復され、賢明に利用され、すべての人々に便益を提供する自然と共生する」と位置づけたうえで、20年までの具体的な個別目標を設定。森林の損失と劣化を半減▽陸・海域の少なくとも15%以上を保護区に指定▽生物多様性に悪影響を及ぼす事業への補助廃止▽過剰な漁獲の撤廃−−などを掲げ、実行のための手段や指標も示した。「農林業の利用地域の持続的管理」という個別目標では、日本政府が提唱している「SATOYAMA(里山)イニシアチブ」が紹介されている。【足立旬子】
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